メリノウール『今さら聞けないウール素材完全版』動物の種類から特徴まで解説

寒い季節はもちろん、一年を通じて人の身体をやさしく包み込み、快適にしてくれる繊維素材「ウール」。ひとえにウールといっても、様々な種類があるのを知っていますか?ウールはどのような動物から採られるのでしょうか?

ウールっぽい見た目の繊維が、全て羊から採られる毛というわけでもありません。そこで今回は、動物から取れる毛の種類について詳しく紹介していきましょう。

ウール素材の種類や、その他獣毛素材の種類

ウール素材の種類や、その他獣毛素材の種類

ウール素材は「羊の毛」ですが、他の動物の毛もたくさん種類があります。着心地や触り心地、機能性など、毛の種類によってそれぞれ違うのが面白いところ。では、以下でウールとその他の動物の毛について紹介します。

■ウール

聞き馴染みのある「ウール」は、羊の毛を意味する。羊の毛といっても、実は色々な種類がある。

中毛種:比較的繊維が短い品種の毛(ハンブシャー、サウスダウンなど)

長毛種:繊維が長く光沢のある品種の毛(リンカーン、ボーダーレスターなど)

雑種羊毛種:上質なウールが取れるように交配した羊の羊毛(コリデールなど)

 羊の毛を刈り取って紡いでできるウール糸で、ウール生地やウール製品が生まれます。同じウールといっても、種類によって触り心地などが違う。

メリノウール

メリノウールは「メリノ種」から取れる羊毛。羊毛の中で最も上質な品質を多く産出している。繊維が細く、一般的なウール素材よりも柔らかいのが特徴。繊細な繊維は柔らかく、チクチクしにくいので着心地の良さを実現する。

■オーストラリア・メリノ

オーストラリア・メリノ(Merino)種は、現在、世界各地に広く分布し、世界で最も優れた品質の羊毛を、最も多く産出している羊種で、羊の代名詞的存在の羊である。

スペイン・メリノ(Spanish Merino)の交配を重ね、オーストラリアの気候風土、環境に適応できるようにした。あらゆる羊の中で最も白く、最も細く、かつ捲縮が多い。

しかも、長くて丈夫で、しなやかで、衣料用に最も適した羊毛を産出する。オーストラリア・メリノは羊の芸術的羊種といえる。

■ニュージーランド・メリノ

比較的雨が少なく、牧草に恵まれている南島のカンタベリー、オタゴ、ネルソンの丘陵地帯で広く飼われている。現在ニュージーランドで飼育されているメリノは、長くて細い脚を持った軽量のメリノが多い。

他の羊に比べて成長が遅いこと、出産率が低いこと、雄のみならず雌でも1割内外は角をもっているなどの特徴を持っている。 繊度(繊維の太さ)は約17.5μ程度である。しかし最近はさらに繊度の細いμのスーパーエキストラファインメリノを産出する牧場もある。白度があり、クリンプが大きくバルキー性に富んでいる。

■カシミヤ/Cashmere

カシミヤ山羊(Cashmere Goat)の毛。中国、中央アジア、イラン、イラク、トルコ、チベットなどに広く棲息するが、中国北西部で最も多量に産出される。繊維が細く、柔軟で、

独特のぬめりのある手触り、深みのある色彩などの特徴を持つ。毎年、晩春に脱毛するので、脱毛する前に大きな櫛でできるだけ刺し毛を抜かないように梳き取るのが最上の採毛方法といわれている。

中国産は14.516.5μm、2590mmと非常に細く柔らかいので、毛布に多く使用される。ウールとよく似ているが、スケールはウールより少ない。

■モヘア/Mohair

アンゴラ山羊(Angora Goat)の毛。滑らかで白く美しい光沢を持った繊維。トルコが原産。上質な光沢感から高級素材のひとつとされており、夏の紳士服地の定番でもある。セーターにも良く使われる。

■アンゴラ/Angra

モヘア(アンゴラ山羊)のように長く白い毛が育つことから「アンゴラ・ラビット」と名づけられた兎。フランスを中心にチェコ、ドイツ、中国、日本などで飼育されている。その毛は手触りがやわらかく、軽く、パステルカラーの発色が良い。ニットに向く。

軽くてふわふわとした製品ができるのが特徴。

■アルパカ/Alpaca

アルパカラクダ類のラマ属に属する動物の毛。南米ペルーの中部から南部、およびボリビアなどに分布し、海抜3,650m以上の高地に棲息している。やわらかい毛と刺し毛の両方の特性を持っている。

手触りは滑らか、弾力と絹様の光沢を持ち、繊度が揃っている。若い間は23
μm位であるが、年齢とともにだんだん太くなり、27〜28μm位になる。毛の色は、こげ茶、灰色、淡茶、白、黒、混色などいろいろある。

キャメル/Camel

ラクダの毛。ラクダにはアラビア、アフリカに棲息する「こぶ」が一つの単峰種と、イラクの東部、ロシア南部、中国北西部を含む中央アジアの砂漠地帯の二つ「こぶ」の双峰種の2種類がある。前者は毛が短く太いので、ほとんど利用されない。毛布などに使用されているのは後者のもの。

このラクダには太さ1524μm、長さ25125mmの非常に細く、柔らかい弾力性を持ったラクダ色主体の毛と、太さ15120μm、長さ125300mm位の褐黒色の剛毛が体表に混生している。ラクダの毛は毎年、晩春に抜け替わるので、その時に落ちたものを拾い集めて、刺し毛を分離し、やわらかい毛だけを使用する。剪毛はしない。

■ラマ(リャマ)/Llama

ラクダ類、ラマ属に属する動物の毛。同属にはアルパカ(Alpaca)、ビキューナ(Vicuna)などがいるが、いずれも南米太平洋側の3,600m以上の高地に棲息している。この中で、ラマは一番大型の動物で、毛は30μmより細いものから、50μm以上の太いものまでが混生している。

ビキューナ/Vicuna

ラクダ類、ラマ属の一種で、南米西部のエクアドルからアルゼンチンへかけてのアンデス山脈の6,0007,500mの高地に棲息している。背丈80cm前後、体重3545kg位で、ラマ属で最も小さい動物。体表に1014μm、長さ2050mmの毛が密生している。非常に臆病な動物であるため家畜化ができず、絶滅寸前。したがって、保護政策が取られており、狩猟および取引が禁止されている。

採取できるのはごく僅かということか希少性の高い素材です。アンデス山脈の極寒に耐えられる保温性、手触りや光沢感においても優れている。

■グァナコ/Guanaco

ラクダ属、ラクダ科の一種。ペルーが原産地。アルゼンチンに野生の状態で棲息している。毛の長さは250mmにも達し、粗剛なものと、1824μmのワタ毛が混生している。毛の色は、背が赤茶色、腹部が白色。紡毛原料、毛布の原料として用いられている。

NIKKE 1896が扱う最高級の「メリノウール」

NIKKE 1896 MAF COLLECTION

NIKKE 1896では、ニュージーランドの豊かな自然環境の中で産出されるメリノウール、MAF(マフ)を取り扱っています。選りすぐられた上質な原料はわずか12~17μmという夢のウールは、人と地球にやさしい素材。ニュージーランドの政府と世界一のファインウールを生み出すべく、共同開発ののちに生まれた「自然と人と羊の営みの結晶」です。

最高級ニュージーランドメリノウール「MAF(マフ)」は、カシミヤと同程度、またはそれ以上の細さと柔らかさを持ちます。独特のヌメリ感と光沢を放ち、気品にあふれ、しっとりと肌に馴染むのが魅力。私たちの生活をより豊かに、快適に導きます。 

上質なウールを纏って、大人の品格を高める

上質なウールを纏って、大人の品格を高める

ウールにも様々な種類があり、似たような素材であっても動物や製法が異なることで、またちがった肌触りや光沢感を生み出します。そして、上質なウールである「メリノウール」はまさに大人の品格を高める素材。

NIKKE 1896の最高級「メリノウール」は、あなたの日常をアップデートさせてくれるに相応しい素材です。


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