【ウール素材の特徴を知る】機能性と快適性に優れた生地の秘密

上質な風合いを生み出すウール素材。冬のイメージがありますが、近年では季節問わず多くの人に愛されています。「ウールがいいとは聞くけど、実際何がそんなに違うのだろうか」という人のために、ウールの魅力である優れた機能性と快適性について紹介します。日常をアップデートさせてくれるウールで、毎日を快適に過ごしてみませんか?

ウール素材に潜在する快適性

私たちは日々、繊維素材を身に纏って生活しています。ストレスのない快適な生活を送るためには、服の素材選びがとても重要です。どんな生地を使った服を選べばよいか、考えたことはありますか?快適な繊維とはどのようなものでしょうか?そこでおすすめしているのがウール。ウールの魅力を深堀りするために、ぐっとミクロに近寄って、まずは繊維の構造を知りましょう。

以下図のように、ウール繊維の表面にあるキューティクルと呼ばれる部分は、多層構造となっています。

ウール構造1 このウール表面の一番外側にあるエピキューティクルには、18-メチルエイコサン酸(18-MEA)が規則正しく配列しています。羊毛表面の摩擦抵抗を小さくする界面潤滑剤としての機能を果たし、ウールの撥水性を実現しているのです。

ウールの機能は水を弾く撥水性だけではありません。衣服内の蒸れを防ぐ吸湿性も併せ持っています。

では、水を弾くのに吸湿するという不思議なウールの魅力について、以下で解説します。

■肌が濡れない、水を弾く「撥水性」

水を弾く「撥水性急な雨でも体を濡らさないために、ウールには天然の撥水機能が備わっています。

ウールの特徴の一つ、水を弾く「撥水性」です。ウールの織物に水滴を落とすと、驚くことに染みこむことなく、ポツンとした水滴になります。そのまま1時間ほど放置しても浸み込むことはありません。特別な加工をしなくとも、ウールはこれほどの撥水性を持ちます。醤油やスープが服に飛んでも染み込みにくく、雨の日に水が跳ねて泥などの汚れがつきにくいのもうれしい特徴です。

参考サイト:https://wool-blog.com/wool/20220818/

■衣服内が蒸れない、湿気を吸い吐く「吸放湿性」

湿気を吸い吐く「吸放湿性」

 ウールは吸湿性にも優れており、冬の暖房の効いた室内でも蒸れにくく、夏に汗をかいてもサラッとして快適に過ごすことができる特徴があります。

水は弾くのに、湿気を吸うとはどのような仕組みなのでしょうか。以下で詳しくお伝えします。

通常時、キューティクルは下の図(a)のように乾燥した状態ではぴったりと閉じており、表面を覆う18-MEAが水を弾くようになっています。 ウール構造(キューティクル) しかし湿気の場合は水蒸気、つまり気体であるため、その粒子は細かく、以下の画像のように、キューティクルの隙間を通って吸湿性のある皮質部分(コルテックス)に吸着されます。

ウール構造(キューティクル・コルテックス)図のようにキューティクルの隙間から吸湿してくれることで、衣服内は蒸れずに快適に保たれるのです。

逆に衣服内の湿度が下がって乾燥してくると、皮質部分(コルテックス)に吸収されていた水分は徐々にキューティクルの隙間を通って外に放出されていきます。そして、エンドキューティクルが収縮するとキューティクルは閉じて、元通りの撥水性になるというのも特徴です。

蒸れてくると湿気を吸い込み、乾燥してくると湿気を放出してくれる。天然の湿度調整機能が備わっているのです。不快指数には気温と湿度が関係しており、湿度を調整することで快適な状態に保とうとしてくれる働きがウールの機能性の一つです。 

参考サイト:https://wool-blog.com/wool/20220823/

【シーン別】暮らしを快適にするウール素材

 【シーン別】暮らしを快適にするウール素材 ウールは、暮らしを快適に、そして心持ちも軽やかにしてくれる素材。「ウールは冬のファッション繊維素材」というイメージが強いですが、実は季節やシーンを問わず快適に過ごすためのサポートをしてくれる素材なのです。

では、どのように暮らしを快適にするのか、身近なライフシーンとアイテムをご案内します。

■アクティブシーン

アクティブシーン

健康のために続けているウォーキング、ダイエットのために通っているジム、地域のイベントや行事など、アクティブなシーンでウールは活躍します。

ウールは天然素材であるため、肌への負担も少ないのが嬉しいポイント。なにより、撥水性・吸湿性に優れており、汗をかいてもサラッとした着心地を実現します。天然のストレッチ機能もあるため、体に程良くフィットして着用のストレスも小さいことが特徴です。

また、ウールには匂いを吸収し、閉じ込めて発生させないというのも大きな特徴。汗の匂いや外の嫌な匂いを周囲に感じさせないのも魅力のひとつ。ウールはアクティブシーンで積極的に取り入れたい素材です。

■リラックスシーン

リラックスシーンおうち時間が増えた昨今、リラックスシーンにおいてもウールは活躍します。例えば、おうちでまったり映画鑑賞、パジャマ、旅行先のホテル着としてもウールがおすすめ。

優れた撥水性・吸湿性で、リラックスタイムを快適なものにします。人は寝ていても多くの汗をかくと言われています。ウールであればサラッとした肌触りを実現し、快適な睡眠に導くことができます。また、ウールは保温性があるため、冷え込みやすい夜にも重宝される素材です。

ウールは「いつでも快適」を叶える素材

ウールは人に快適性をもたらしてくれる、優秀な天然の機能性繊維であることがわかってきましたね。

その優れた撥水性と吸湿性で、様々なライフシーンで「いつでも快適」を叶える素材であるウール。冬も夏も、家の外でも中でも、身近であたたかく寄り添い続けるパートナーのような存在。ウールを着るという選択があなたの日常を彩り、快適にしてくれます。

ウールの持つ快適性は、人と地球の未来のためのやさしさです
ウールの持つ快適性は、人と地球の未来のための“やさしさ

NIKKE 1896は、ウールのやさしさを伝える伝道師の役割を担っています。

ウールが持つ快適性を享受いただくことで、日々の生活に彩りと快適さを、“心身ともに快適な日常を”ご提供しています。人に快適性をもたらし、地球環境負荷も小さいウールは“人と地球にやさしい”繊維です。

愛着を持って着ていただける上質で快適なウールウェアをご提供することで、“未来へつなげる⾐服⽂化を創りたいと願っています。お客様に服を愛着とともに永く着ていただきたいと願っています。愛着を持って永く着ることは⾐服の廃棄を減らすことにもつながります。⾃然と⼈と⽺の営みの中で育まれた天然素材ウールの快適性は、人が地球環境と共に生きることのできる、未来の衣服の在り方を示してくれます。